フクロウとまなぶこころメモ 第4回 イネイブラータイプ

登場鳥物紹介

フクロウ

“こころ”についての知識が豊富な森のフクロウ。動物たちからよく相談を受ける。

ハト

普段は街で仲間と暮らしているハト。フクロウに相談をするため、たまに森にやってくる。

イネイブラータイプって?

イネイブラーって、ちょっと分かりづらい言葉だね

イネイブラー(Enabler)は、尽くすことで家族や周囲を支えてきたタイプと説明されることが多いよ。

“尽くす”って、良いことじゃない?

もちろん、思いやりや優しさはとても大切だよ。
ただ、イネイブラーの場合は、相手の問題を「解決しないまま支え続けてしまう」ことや、改善が難しい相手を、それでも何とか支えようとしてしまう…という関わり方になりやすいことがあるんだ。

どうして、そんな関わり方になるの?

どうして、そんな関わり方になるの?

背景には、いくつかの重なりがあると考えられているよ。たとえば子どもの頃、

  • 家庭の中で「助ける役割」を担っていた
  • 誰かを支えているときだけ、安心感や居場所を感じられた
  • 自分が頑張らないと状況が悪くなる、と思わざるを得なかった

そんな経験が続くと、「誰かを支えている自分でいること」が、自分の価値を感じる大切な手段になっていくことがあるんだ。

それが、大人になってからも続くんだね

そう。すると無意識のうちに、「相手が回復してしまうと、自分の役割がなくなる」ように感じてしまうこともあると言われているよ。
これは決して、相手を良くしたくないからではなくて、「誰かを支えて頑張っている自分でいないと、自分には価値がないように感じてしまう」というセルフイメージが関係していると考えられているんだ。

自信のなさも関係しているんだね

そうだね。その結果として、たとえば――

  • 自分の判断に自信が持てない
  • 罪悪感を強く感じやすい
  • 相手の問題と自分の問題の境界が分かりにくくなる

といった生きづらさにつながることがあるとも言われているよ。

助けているのに、苦しくなるのはつらいね…

うん。イネイブラーの苦しさは、「善意でしていることなのに、報われにくい」ところにあるのかもしれないね。

補足Q&A(ケアテイカータイプとの違い)

第3回のケアテイカーと、今回のイネイブラーって、何が違うの?

どちらも「世話をする人」だけれど、関わり方が違うんだ。
ケアテイカーは自分を引いて相手に合わせることで関係を保ち、イネイブラーは前に出て支え続けることで相手に関わる。
どちらも善意から生まれた役割だけれど、「自分を後回しにするか」「支え続けないといけないと感じるか」――そこが大きな違いなんだよ。

こころメモ

誰かを支えてきた背景には、その人なりの必死さや、守ろうとしてきたものがあったはずだよ。