事例 13アダルトチルドレン(AC)・
機能不全家族で育つ・
毒親に育てられる
幼少期から現在までの家庭環境で生きづらさを抱えてきた人
アダルトチルドレンとは元々は
- 親がアルコール依存症の家庭で育った子供のこと
- 機能不全家族で育ち、生きづらさを抱えた人のこと
*アダルトチルドレンの定義が拡大解釈されていく過程で定義があいまいになっていったため、医学用語にはならなかったそうです。
機能不全家族とは
家族の中にあるべき機能である
- 家族内での関わり:団らんなど
- 子育て
- 家族外での関わり:地域社会との関り
機能不全家族で一番その影響を受けるのは、家族から離れて一人で生きていくことができない子供です。機能不全家族の中で育つことでその子供が集団適応、社会適応に問題が起きることがあります。
毒親とは
「子供の人生を支配し、子供に害悪を及ぼす親」を指す言葉としてスーザン・フォワードが用いた言葉です。日本でも『母は娘の人生を支配する(著:齋藤環)』など毒親をテーマにした本はたくさん出ています。カウンセリングでは虐待する親ばかりでなく、自己愛が強い親、話が通じない親、共感能力が薄い親、子供の情緒を拾ってくれない親の元で育った方が相談に来られます。
共依存とは
元々、アルコール依存症患者の夫や父を持ち、その夫や父にふりまわされ、持続的な被害を被っていた家族の特徴を説明するために使われていた用語のようです。何かしら問題のある人とその人を支える人でお互いに依存しあうことを指しているようですが、もう少し拡大解釈すると特定の人間関係に過剰に依存することを指しているとも取れます。
まとめると…
①、②、機能不全家族、毒親、共依存を踏まえて私なりにアダルトチルドレンを要約すると様々な親の問題(嗜癖、障害、社会的問題、コミュ力が低いも含め)があり、親が親の役割をはたせず、家族のバランスをとるために親の役割の一部を子供が果たし、その中で作り上げた役割がアダルトチルドレンであるととらえこともできると思います。
問題はこの役割を家族以外の、学校、職場、友人、恋人、夫、子供に対しても用いてしまい、原家族で味わったのと似たような不全感、不快感を人生の中で何度も繰り返し感じてしまいやすいことです。
役割の典型的で代表的なパターン
家族内のバランスをとるために作り上げた役割の典型的で代表的なパターンが下記になります。
-
ヒーロー
-
ケアテイカー
-
イネイブラー
-
ロストワン
-
ピエロ
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スケープゴート
- どのように人に関心を持って関れば良いのかが分からない
- いつもなにかが足りないという空しさや寂しさを感じる
- 表面的に愛情を示してくれる人にしがみついてしまう
- 他人より劣っていると思う事が多い
- 相手が自分を良く思っていないと疑い、防衛的になる
- 人の言うことにノーが言えない
- 本当の自分と期待される自分とのギャップに悩んでいる
- ちょっとしたことで、自信を失う
- 完璧を求めるあまり、強迫的になりやすい
- 他人の目を気にして、行動が起こせないことが多い
- 他人に上下をつけて、軽蔑する傾向がある
- ねたみや嫉妬心におそわれる事が多い
- 自分は他人や一般的とは違うと感じる
- 隠す必要のないことを隠す事が多い
- 自由に感情や意見を言ったり、ふるまうことが難しい
- 恥の意識が強く、行動しない事が多い
- 自分の顔や身体に自信がもてない
- 女性らしさ、男らしさを恥じ、性的特徴を外に出さないことに過敏に神経を使う
- 他人の世話ばかりをしてしまう
- 誉められるかどうかが、自分の存在価値だと感じる
- 自分を必要とする人がいないと不安が強くなる
- 日常の基本的な、自身の世話ができないことが多い
- 精神的に弱く、ちょっとしたことでガタっと落ち込む事が多い
- 人の意見を聞かないと不安になる
- 生きていること自体に罪悪感や嫌悪感がある
- 自分は自分であってはいけないと思ってしまう
- 他人から認められたいという気持ちが異常に強いと思う
- 衝動的に反応する事が多い
- 怒鳴り声や物音に過敏で過度に萎縮する
- 一貫性がほとんど無く、感情の上下が激しい
- 攻撃的な行動や反社会的な行動をとる事が多い
- 友達からいじめられやすい傾向がある
- 少しでも対立が起きるとパニック状態になる
- びくびくしている事が多い
- 無表情で、感情を表にだせない
- 何が正常で何が異常なのかが分からない
- 自分は発達障害ではないか?と疑ったことがある
- 自分はパーソナリティ障害(人格障害)ではないか?と疑ったことがある
- 自分は機能不全家族で育ったと思う
- アダルトチルドレンの情報を読んで、「自分のことだ」と思ったことがある
- 共依存関係になりやすい
- あまりかまってもらえず甘える事がなかった
- 抱っこしてもらったり、触れてもらった記憶が無い
- 家族同士が無関心だった
- 他人や兄弟姉妹といつも比べられたり、差別をされた
- 誉められた記憶が無く、自分の意見は受け入れてもらえなかった
- 顔や姿についてからかわれたり、馬鹿にされたりした
- 親の夢を代わりにかなえるように押し付けられたことがある
- 勉強や進学などで、親の決めた通りにするのが当たり前だった
- しつけのために叩かれたり、厳しく怒られる事が多くあった
- 学歴や肩書き、地位が重視された
- お金やブランド品が重視された
- 他の家庭と自分の家庭を比べることが強い親だった
- 親の愚痴をよく聞かされた
- 両親の世話や不仲の仲裁をすることが多かった
- ほとんどの家事は子供がやっていた
- 欲しいものは何でも買ってもらえた
- 身の周りの世話は全て親がやっていた
- 何をしても許され溺愛された
- 親がアルコール、薬物、ギャンブルなどの依存症だった
- 家庭内に怒りの爆発が頻繁にあった
- 身体的暴力、性的暴力、精神的暴力のいずれかが起きていた
具体的にはこんなことをおっしゃいます。
カウンセリングでは、この役割の変容を目指したり 、あるいは、この役割を抱えたまま今より生きやすくなる方法を模索するなどご本人のご要望に合わせたカウンセリングを行っていきます。